miyaniyanのブログ

ここでは日常生活の雑感を。 

プリンシプルその1 イメージすること

もっとも難しいのがこのプリンシプル。ワークショップの最初で特に必要なんだけどこれができるかできないかは非常に大きいと思う。ひょっとすると自分のやり方の特徴かもしれない。

「イメージする」対象は、顧客の事情や課題、何を解決できれば成果となるのかなど顧客に関わることすべて。
ワークショップでは、事前にすべての関係する情報が得られないことがまあ多い、なので、普通にやることといえば、情報を得る手段として、ヒアリングや関連情報の提供をお願いするわけ。

特に複雑なビジネスルールや組織の事情がありそうだと、きちんとヒアリングする手順をいれて進める必要がある。ところが、ワークショップには与えられている時間が限られている。そのため、ヒアリングは、相手の方の事情を知り、ガス抜きにもなるし、やり遂げた感があるのだけど、それだけやっているわけにいけない、時間が足りない、期間が足りない、そして、解決のための議論をする時間がなくなる、といったことになる。
つまり、どういうことかというと、事実を押さえなければ解決できないが、事実を丹念に押さえている時間はないというジレンマが発生するということ。

なので、イメージすることが重要になる。

どうするかというと、できるだけ早く解決に向かうために、最初にその時点で知りえる情報や事実を確認した上で、そこから考えられる課題や問題をイメージして整理を試みるわけである。
この事実から推測すると、「それなら、こういうことも考えられるのではないか」、ということを明らかにし、それに対する意見や情報を得られるように仕掛けていくわけ。

ところが、、、 実は、この方法を実施する上では心理的なハードルがある。
まず、不確かなことを想像で提示することによって余分な波紋が発生するのでは、という懸念。
さらに顧客から提示したことに対する指摘があるのでは、という恐れ。
また、想像で提示すると、本題から遠のく気がするとか、最終的にどうまとめていいか、わからなくなるというワークショップを進める上での不安も感じる。
おまけに、もともと顧客の課題なのだから、顧客からきちんと説明してもらうのが普通と考える心理も働く。

 
でもね、、、私の経験からは、あらかじめ知りえている事実からイメージし、それを顧客に提示するということには大きな効果を発揮します。心理的なハードルさえ乗り越えて、一度、効果を感じたら、それこそ自信がつきます。
実際に、顧客から発せられる意見が、こちらが勝手にイメージしたものとのギャップや差分といった形で、対象を絞り込んで見えてくるからです。

なぜかというと、顧客は、ワークショップの相手(つまり、こっちのこと)が何を知っているか、知らないか、そのことがわからないので、どうしても総花的な話に終始したり、自分の気になる点に終始したりすることが多いから。
だから、普通にヒアリングすると、情報過多になって、思いはわかるけど、どう整理していいかわからない、見たいなことが起きる。

当たり前だけど、顧客の事情は、顧客が一番わかっていて、こちらが事実をすべて知りえないのは当たり前と思っているし、その点について指摘することはない。間違っていれば正してくれるし、情報も新たに提示してもらえる。
(そのあたりは、逆に親切になりますよ、もちろん、最低限失礼のないぐらいには勉強していかないといけないですけど、相手よりよくわかっているみたいな態度は厳禁)

最初は、すべての事実を知りえないことを逆に強みとして発揮するわけです。それをうまく使うと、顧客からの有効な情報を引き出すことができる。 これは、一種のヒアリングテクニックかな。単にヒアリングをするよりは、こちらの想定に対する意見をもらえるので、全体を組み立てやすくなり、目的により早く到達することが可能になる。

(でも、実施は大変だよーーー。想定していた最初の資料なんて、まったく役に立たず、毎回、資料の作り直しだし、相手のいうことをきちんと捉えて、ゴールに向かっていくには、他のプリンシプルが実は必要なんだ)

また、こういったアプローチは、こちらが真剣に顧客の抱えている事情に踏み込もうとする姿勢を表すことにもなるので、顧客からもこれに応えようとする副次的な効果もあるわけです。あくまで副次効果だけど。