miyaniyanのブログ

ここでは日常生活の雑感を。 

失敗の本質

ずいぶん前に、失敗の本質―日本軍の組織論的研究って本を読んだ。
とても面白く、そのときは組織論、組織行動論などにすごく惹かれていたときだった。
人材育成や組織活性化に向けて、なにかやれないか、ということでヒントを探していたときでもあったからというのもある。


で、最近、息子に、新太平洋海戦1950―昭和25年夏の開戦って空想本を借りて読んだんだけど、
それで、この本のことをまた思い出した。


記憶違いでなければ、日露戦争に勝ってしまったことが、日本のすごさでもあり、その後の衝撃的な成功体験によって、変化できなったという趣旨だったはず。
(かなりいい加減な記憶だけど)

特に、太平洋戦争のときには、軍艦から航空機に主役が移ろうとしている時代にもかかわらず、日本海会戦の劇的勝利が忘れられず、巨砲巨大空母による軍艦中心に進んでいったといわれている。
もちろん、当時、航空機が主役になるつつあるといえ、やはり、雌雄を決するのは軍艦だったことは間違いなく、取った戦略もそれほど間違っていなかったと思うけど。

同じように(ここから空想なんだけど)、日本のコンピュータ会社というか、汎用機時代からやっているある程度歴史のある会社は、まだ巨艦主義なんだろうな、と思っている。
つまり、大変な成功体験をしてきたから、それから離れられないんだと思っている。
そのため、航空機やジェット機、電子戦になっているのに、戦艦と人の力で何とかしようとしているように思う。それって、いまだ、海に浮かぶところで、自分たちはいて、そこから雲の向こうのことや、空のことをやろうとしているんだと思う。

でも、太平洋戦争時代の日本軍と同じで、今やっているアプローチはきっと大勢の中ではあっているんだと思う。少なくとも間違ってはいない気がする。しかし、皆が同じ目線ならそうという前提だけど。少数かもしれないけど、ひょっとすると巨大な資本かもしれないけど、突然空から何か違う形でせまってきたら、手も足も出ない。

そんな気がしている。

開発技術だって変化している。決して同じものではない。
なによりもネットワークとか、データストレージの技術が変化し、昔できなかったことはかんたんに出来てしまう時代。それなのに、まだ80年代と同じ開発のやり方の延長で、それの精緻化や定量的分析とか品質保証とかやっている。
#いや、時代とずれているだけに、まじめにやればやるほど、ずれが大きくなる気がする。

とにかく、どこかで大きく失敗するぞ、と思う。
アジャイルとかクラウドとかじゃなく、その背景にある本質的な部分に目を向けないと、方向を誤って努力することになる。

って、改めて思った次第。
こんなことを考えている私は、会社では、異端児。
あ、そこにいたんじ!